メネラウスの定理の使い方 【典型な状況で使い方を把握】

メネラウスの定理の使い方-表紙

メネラウスの定理の使い方 :「典型例を通じて、確実に定理を使う手順を押さえる」というのが、今回の記事のテーマです。内分比や外分比を求めるときに強力な定理です。

ですので、確実に実行できるデジタルな手順を徹底解説しています。一筆書きの感覚で時々まちがうという悩みを乗り越えるための明確な定理の適応方法です。

また、この定理を通じて、既に成立している定理を適用するということを認識できると強いです。

正しい定理であったとしても、適用できるときと、そうでないときがあるので、この違いを認識することは大切になります。

メネラウスの定理を適用するときには、今そこにある状況について、定理を適用できるのかどうかを判断しなければなりません。

ここは、数学を学習するときに気をつけるポイントになります。

既に成立している定理を適用するとは、どういうときにできるのか。ここを正しく認識できると、数学の学習が、かなり楽になります。

すると、メネラウスの定理は分点比を求めるにあたって、強力なサポーターになってくれます。

メネラウスの定理の使い方 :まずは知ることから

メネラウスの定理の使い方-1

「三角形AKRと、直線DIが与えられたとします。

このとき、直線 DI が、三角形 AKR のどの頂点も通っていないならば、三つの分点比の積が 1 になる」というのが、メネラウスの定理です。
 
定理が適用できるかどうかを判断することを中心にブログの内容を進めていきますので、各頂点を表すアルファベットをランダムに書いてあります。
 
この図で、青色の点 D, P, I が分点です。つまり、変数として考えている三角形と直線について、「三角形の各辺もしくは、その辺の延長と直線の交点」のことを分点といいます。
 
変数として使っている三角形の頂点と、これらの分点は異なる点になっていることにご注意ください。
 
メネラウスの定理の仮定で「直線は、三角形の三つのどの頂点も通らないという」ということが効いています。直線が、三角形のどれかの頂点を通ってしまうと、分点と頂点の区別がつかなくなってしまいます。
 
メネラウスの定理という命題に使われている変数として、一つの三角形と、一つの直線の組が命題に使われている変数となります。
※ 命題に使われている変数については、
命題 (proposition)というブログで詳しく説明をしています。
 
この変数に当てはまらない状況では、メネラウスの定理を使うことができません。つまり、一つの三角形と、一つの直線が存在しない状況だと、メネラウスの定理は適用できません。
 
また、 一つの三角形と一つの直線について、その三角形の三つの頂点のうち、どれか一つを直線が通っている状況があったとします。これは、仮定条件に当てはまっていないので、定理が適用できないときになります。
 
一つの三角形があり、一つの直線が存在すると、命題に使われる変数に当てはまるものが存在したということになります。
 
そして、三つの頂点のどれも通っていない状況だと、仮定条件を満たし、メネラウスの定理が適用できます。
 
三角形と直線が複数あるときは、変数に当てはまるどの三角形と直線について定理を適用するかを指定します。

さらに、命題に使われている分点について具体的に説明をします。

分点には内分点と外分点の二種類

先ほどの図で、辺 AK と直線の交点 D のように、三角形の辺と直線が直に交わっている点が内分点です。辺 AR については、点P が内分点です。
 
一本の辺と直線が、直接に交わっていないときには、辺の延長と直線の交点を考えます。
 
辺 KR と直線 DI は、直接交わっていません。
KR を延長した赤い部分と直線 DIが点 I で交わっています。
 
このように、辺の延長と交わった点が外分点です。三つの分点のうち、点 I が外分点です。これで、内分点と外分点が認識できました。
 
分点には、内分点と外分点があります。ベクトルの単元でも使うので、平面図形を通じて慣れておくと良いかと思います。
 
分点まで認識ができると、結論となる分点比の然るべきところに点を書きます。次に、この点を書くことについて、2つ判断して決定することがあります。

結論の分点比

① 左回りか右回りか
② スタート地点の決定


結論の三つの分点比の積が 1 となるという等式について、それぞれの分点比を作るにあたって、この①と②を決定します。

※ 最終的に同じ結果になります。見た目の式が異なるかもしれませんが、式を適切に書き換えると同じになります。
 
では、①について、左回りで議論を進めることにします。スタートする頂点は、三角形 AKR のどこからでも結論は同じです。今回は、頂点 K からスタート(開始)することにします。

メネラウスの定理の使い方-2

等式の「頂1」と書いているところに、頂点 K を書きます。ここがスタートになります。
 
左回りを選択しているときは、頂点 K から左回りに三角形の頂点を順に見て、頂点 R と A を頂点〇のところに配置します。


頂1→K, 頂2→R, 頂3→A


これで、図の下に書いている公式の頂〇のところに、定理を適用する三角形の頂点を配置されました。

それぞれの分点比を表す分数の斜めに配置された頂点を見ると、変数として考えている三角形の辺になっています。
 
変数として考えている直線との分点を、分1, 分2, 分3 の位置に配置すると、結論の分点比についての等式が完成します。
 
頂1 と頂2 が辺 KR なので、KR と直線についての分点 I を分1 のところに配置します。
※ 辺と直接に交わっていないときには、辺の延長との交点である外分点を配置することになります。
 
残りの分2 と分3 のところに配置する分点も、それぞれの分点比の斜めに現れている辺と直線とでできる分点を配置します。

メネラウスの定理の使い方-3

真ん中の分点比について、頂2 が R で、頂3 が A なので、辺 RA と直線についての分点 P を分2 に配置します。
 
一番右の分点比については、頂3 が A で、頂1 が K なので、辺 AK と直線についての分点 D を分3 に配置します。
 
うまくできたかの確認として、スタート地点とした頂 1 と、最終の到達地点の頂 3 が同じアルファベットになっているかを見るのも良いかと思います。
 
この定理の結論となる分点比の積について、等式への各点の配置の手順をまとめておきます。


【点の配置手順】

・左回りを選択しているときは、頂点Kから左回りに三角形の頂点を順に見て、RとAを「頂1→K, 頂2→R, 頂3→A」に配置する。

・3個の分数のそれぞれの斜めに、頂1頂2、頂2頂3、頂3頂1がそれぞれ辺KR、辺RA、辺AKとなる。

・辺KRの分点Iを分1に、辺HAの分点Pを分2に、辺AKの分点Dを分3に配置する。

※分点は、内分点もしくは外分点のことです。


これが、いはゆる数学的アルゴリズム(手順)というものになります。

数学の思考回路は、プログラミングとも関係しまして、大学の数学科では、計算機数学の練習問題として、メネラウスの定理を使われることもあるかと思います。

手順を正確に認識することは、プログラミング関連のことを考えると、重要かと思います。先ほどは、左回りに三角形の頂点を眺めました。練習に、今度は右回りに考えてみます。

メネラウスの定理の使い方 :逆回りについて

スタート地点を同じ点 K として、右回りに回りに考えることもできます。点 K から右に頂点を見ていくと、「K → A → R」の順になります。

「頂1→K, 頂2→A, 頂3→R」となります。

頂1 が D, 頂2 が A なので、一番左の分点比の斜めに現れる辺が KA です。この辺もしくは、その延長と直線の交点となる分点 D を分1 に配置します。左回りのときと同じ要領で、残りの分点 P と I を配置すると完成します。

手順をまとめておきます。

右回りの手順

【点の配置手順】

・右回りを選択しているときは、頂点Kから右回りに三角形の頂点を順に見て、AとRを「頂1→K, 頂2→A, 頂3→R」に配置する。

・3個の分数のそれぞれの斜めに、頂1頂2、頂2頂3、頂3頂1がそれぞれ辺KA、辺AR、辺RKとなる。

・辺KAの分点Dを分1に、辺ARの分点Pを分2に、辺RKの分点Iを分3に配置する。

※分点は、内分点もしくは外分点のことです。

関連記事について

ここまで述べてきた具体例では、直線が三角形の辺と交わっていました。

このタイプは、比較的に定理を使うチャンスに気がつきやすいものになります。

しかし、三辺と直線が交わらない場合についても、メネラウスの定理を適用することができます。

いきなり見ると、定理を使うということが思いつきにくいタイプなので、まずは典型的な例を知ることから始めると良いかと思います。

事前に知っているのと、そうではないのでは、反応に大きな差が出るかと思います。

この記事では、機械的な手順を明確に記述しました。計算機のように、直観ではなく、明確な手順で、いつでも定理を正確に適用するために、この手順をまとめました。

高校生の頃の自分は、三辺と交わらないタイプのときに、メネラウスの定理をうまく使えなかったと記憶しています。そういった失敗を乗り越えるために、客観的にいつでも使う手順を考えることにしました。

大学の計算機数学で、計算機の学習をした頃に、計算機のアルゴリズム風にと思い、上で述べた手順をまとめました。

いつでもうまくメネラウスの定理を使えている方は、その使い方で大丈夫かと思います。今回の記事は、昔の私のように、うまく使えたり使えなかったりという悩みのある方への一つの打開策です。

もし、この手順でメネラウスの定理が使いこなせるようになる一助となれば幸いです。

【関連する記事】

三角形の面積比という記事で、チェバの定理と、その定理の逆の証明について解説をしています。

さらに平面図形の発展的な内容として、チェバの定理の逆という記事を投稿しています。

定理でいう 1 点で交わる点をベクトルで表示するという内容を解説しています。

それでは、これで、このブログ記事を終了します。

読んで頂き、ありがとうございました。